『ミルグレイン』の歴史
2023.05.04
指輪を華やかに装飾するミルグレイン加工は、結婚指輪や婚約指輪のデザインとしても人気があります。そんなミルグレイン加工ですが、一体いつ頃に生まれた技法なのでしょうか。
今回は、ミルグレイン加工が誕生した歴史についてお話しします。
ミルグレインとは
ミルグレインは、別称「ミル打ち」と呼ばれる装飾技法のひとつ。代表的な加工方法に「職人の手で1粒ずつ打っていく方法」「型をとり鋳造する方法」などがあります。ミルグレイン加工を施すことで、指輪に立体感を与えることが出来るため、指輪の印象はより豪華に変化します。
ミルグレインの粒の大きさや、加工を施す指輪本体のデザイン、仕上げによってさらに印象が変化するため、お客さまこだわりのデザインの指輪をお作りできることも魅力のひとつです。
ミルグレインの成り立ち
ミルグレインは、ヨーロッパ地方で生まれた技法と言われ、古くから親しまれてきました。
語源はラテン語で、ミル(Mil)は「千」、グレイン(Grain)は「粒」という意味があります。たくさんの房をもつ穀物を表したデザインは、珠が連なることから「幸せが続く」「子孫繁栄」「永遠」をもたらすと言われています。そのため、縁起物としても好まれ、結婚指輪や婚約指輪の装飾などに人気なんですね。
取り扱いで注意する点は?
シンプルなデザインの指輪のアクセントにもなり、人気の高いミルグレイン加工ですが、取り扱う際には注意が必要です。
ミルグレイ加工を施した指輪には凹凸がうまれるため、シンプルな指輪と比べて汚れが溜まりやすくなります。そのため、定期的にお手入れする必要があります。ハンドクリームなどをお使いになる場合には、指輪を外していただくと汚れを防ぐことができます。
もうひとつ注意したいことは、指輪のサイズ直しについてです。細やかな装飾が施された指輪は、縮めたり継ぎ足すようなお直しをすることが難しい場合があるため、注意しておくと良いでしょう。
鎌倉彫金工房の先輩作品
最後に、鎌倉彫金工房で作られた先輩作品をご紹介します。
イエローゴールドの素材、平打仕上げの結婚指輪です。上の指輪は幅1.5mmで中央に、下の指輪は幅2.5mmで指輪の縁にミルグレイン加工を施しています。ゴールドにミルグレインをプラスしたことで、シンプルかつ上品な雰囲気に仕上がりました。
プラチナ素材、つちめ仕上げの結婚指輪です。幅2.5mmの指輪の縁にミルグレイン加工を施したデザインです。甲丸の指輪につちめ模様を付けてミルグレインと合わせたデザインは、指先を華やかに魅せてくれる仕上がりになりました。
ホワイトゴールドの素材、平打仕上げの婚約指輪です。幅2.0mmの指輪の縁と、中央のダイヤの周りにミルグレイン加工を施したデザインです。ダイヤの周りにもミルグレイン加工をほどこしたことで、より華やかな雰囲気がプラスされ、特別感あふれる仕上がりになっています。
今回は、ミルグレイン加工についてご紹介しました。鎌倉彫金工房では、職人の手でミル打ち加工を施しています。専門的な技術が必要な加工のため、細心の注意を払いながらひと粒ずつ丁寧に作っています。
ミルグレイン加工をほどこすかどうかお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談くださいませ。