鎌倉彫金工房のクラフトマンシップ vol.3 接客の3
2021.08.23
私たちの仕事は、指輪をつくるだけではありません。
“一生大切にしていただけるモノと思い出を提供する”というミッションの達成において、「接客」は最も重要であり、私たち職人の大切なクラフトマンシップの一部であると考えています。
1.「言葉」を大切にする
お客様と接する時、私たちは言葉を大切にします。
作業中のサポートも、デザインのご提案も、チャットルームでのやりとりも、電話も、お預かり品のお渡しも、SNSも、すべて言葉を使って行います。そこで使われる言葉が、お客様の“指輪の手作りという特別な思い出”に大きな影響を与えうるからです。
特に気を付けて考えているのが「丁寧な敬語表現」。
接客という場面で当たり前に求められる敬語ですが、私たちは「お客様が工房を信頼してお選びくださったことや、恩恵を与えてくださることへの敬意を表現するためのツールのひとつ」として使用しています。
(もちろんただ単純に、不快感を感じず気持ちよく指輪作りをお楽しみいただきたいという思いも、私たちが丁寧な敬語表現にこだわる理由のひとつです)
作業場にも言葉遣いで気を付けたいポイントを貼りだし、意識し実践できるように取り組んでいます。ちなみにそのポイントは以下のとおり。また別の機会にご紹介したいと思います。
- 上司部下、先輩後輩関係なく、お客様のいらっしゃる空間での会話は敬語を使うこと
- お客様がいらっしゃらなくても、お客様についての話では敬意を表す表現を使うこと
- お客様の指輪に対して、敬意を表す表現を使うこと
2.「振る舞い」で空間を作る
動作や表情などの振る舞いも、重要な「接客」のひとつとして、私たちは大切にしています。
人が受ける情報の8割は視覚(見た目)から。第一印象も約15秒で決まると言われています。
「お客様に背を向けない」「目を見て笑顔で挨拶をする」などは、当たり前だと感じられると思います。しかし職人ひとりひとりがそういった、動作、姿勢、表情に気を配ることで、お客様が『心地良い』と感じてくださる空間になるよう目指しています。
3.仕上がりの美しさと工程の楽しさを「両立」させる
鎌倉彫金工房では自らの手で、カッコイイ、美しい指輪を作る為に技術を磨いてはいません。ちょっとガッカリしましたか?
もちろんプライベートでは自分の作品作りをしていたりしますが…私たちが求める技術は、「仕上がりの美しさ」と「工程の楽しさ」を両立させることなのです。
鎌倉彫金工房は、お客様に指輪作りをお楽しみいただく工房。だから、職人が手を加えすぎることはありません。職人にとって満足する指輪ができても、お客様が「職人さんが作ってくれたモノ」とお感じなったら、鎌倉彫金工房の職人たちは頭を悩ませます。
仕上がりが美しいことと、工程を楽しんでいただくことを両立させて初めて、お客様がお喜びくださるのではないか…。私たちはそう考えています。
鎌倉彫金工房の目指す接客とは、『人と人』であることを意識して、お客様にとっての気持ち良い空間とは何かを考え続け行動すること。
言葉や振る舞いは、人としての自然な関わり合いの中で育まれる、私たちが磨くべき「技術」のひとつと言えるのかもしれません。