10月の誕生石、ピンクトルマリン
2018.10.02
紫味をおびた柔らかなピンクに、落ち着いた可愛らしさを思うピンクトルマリン。
潔白、広い心、忍耐などの石言葉を持つ、10月の誕生石です。
虹の色からできた宝石
トルマリンの語源は、ミックスされた宝石を意味するシンハラ語のtoramalli(トルマリ)。ピンク以外に、青や緑、黄色、黒、緑と赤の色をしたウォーターメロン(スイカ)など複数の色を持ったものまで、様々なカラーバリエーションがあることからその名がつけられました。
その特徴から「トルマリンが虹に乗って宇宙を旅をした時に、虹の色がそのまま移ってしまった」という古代エジプトの伝説も残されているんですよ。
そのほか、古代の祈祷師には肉体と天界を繋ぐ石として、ルネサンス期のアーティストや作家には創造性を刺激する石として、ネイティブアメリカンやアボリジニたちはあらゆる危険から身を護る石として、広く親しまれてきた歴史があります。
電気石
トルマリンは、和名を電気石と言い、熱すると静電気を帯びる独特な性質を持つ石でもあります(ちなみにこれを発見したのは、キュリー夫人と結婚する前のピエール・キュリーと彼の兄・ジャック)。
照明によって暖められて帯電しホコリを集めてしまうために、宝石店のショーケースで最初にホコリを被る宝石と言われることも。
その性質を利用して、18世紀ごろのオランダではパイプにつまった灰を取り除くために使用され「灰取り石」と呼ばれていたのだそうです。今でも、温度センサーや圧力検知装置など、宝石以外の用途で用いられることもあるんですよ。
ピンクトルマリンをあしらった指輪
上の写真は、鎌倉彫金工房でお作りいただいたお客様の作品。シャープに輝くプラチナに、ロマンチックなピンク色が優しさをもたらします。
メインダイヤの脇にピンクトルマリンがそっと寄り添い、華やかさと可憐さが兼ね備わる繊細なエンゲージに。
温かみのあるイエローゴールドにキュートなピンクトルマリンを一粒添えたマリッジは、たおやかで丁寧なお客様のお人柄が伝わってくるようです。
穏やかで透き通った秋風の立つ10月、可憐なピンクトルマリンに、あなたの麗しい愛情を込めてみてはいかがですか。