なぜ婚約指輪といえばダイヤなの?
2016.03.15
婚約指輪にダイヤをあしらう方は購入者の約9割と言われているように、ダイヤは婚約指輪の定番として定着していますが、いつからダイヤが使われるようになったかご存じですか?
今回はなぜ婚約指輪といえばダイヤなのか、歴史をひもときながらご紹介します。
婚約指輪の起源は古代ローマ
そもそも婚約指輪の起源というのは2,000年以上前、古代ローマの時代にあると考えられています。はじめは鉄でつくられた指輪を贈っていたのだそう。
それから時は過ぎ、14世紀ごろのルネサンス期には、宝石の加工技術も進歩して、様々な宝石をあしらった華やかな婚約指輪が選ばれるようになります。
ダイヤが定番になったのは産業革命のおかげ
婚約指輪にダイヤが使われるようになったのは大航海時代、日本が戦国時代にあった15世紀ごろです。
ダイヤの語源であるギリシャ語の「Adamas」には「不屈」「征服されない」という意味があり、ダイヤがもつ永遠の輝きとともに「普遍の愛の象徴」として、ハプスブルク家などの王侯貴族の間で流行しました。
オーストリアのマキシミリアン公(写真左)が、ブルゴーニュ公女・マリー(写真右)との婚約の証として贈ったものがダイヤつき婚約指輪の最初だと言われています。
広く一般に使用されるようになったのは19世紀のこと。この時期の産業革命により王侯貴族以外にも裕福な人が増えたのがきっかけだと言われています。
さらにこの時期にブラジルやアフリカでダイヤの鉱脈が発見され、供給量が飛躍的に伸びたことも、婚約指輪にダイヤが広く使用されるようになった大きな理由のひとつでしょう。
日本での婚約指輪の歴史は浅い
日本で婚約指輪の概念が広まったのは意外と最近で、東京オリンピックに湧いていた1960年代だと言われています。当時はダイヤでなく、ほとんどの人が真珠や誕生石で作られた指輪を贈っていました。
しかし大阪万博やオイルショックがあった1970年代、ダイヤモンド商最大手のデビアス社がおこなったキャンペーンが、それまでの流れを変える大きなきっかけになったのです。
「ダイヤモンドは永遠の輝き」という言葉をご存知の人は多いかと思いますが、これはデビアス社の当時のキャッチコピー。このキャンペーンが大成功をおさめ、1970年当初は16%ほどしか贈られていなかったダイヤの婚約指輪が、1980年代には70%以上になったほど。
これ以降、婚約指輪の宝石にはダイヤを使うという考え方が定着していったのです。
ダイヤは永遠の愛の誓いにぴったりな宝石
地上で一番硬い鉱物であるダイヤは、希少価値が高く、その輝きや美しさも類を見ないほど。
無色透明なダイヤの石言葉には、「純潔・清浄無垢・純愛・永遠の絆」という意味もあり、永遠の愛の誓いにぴったりな宝石と言えます。