アクセサリーの素材としてだけではなく、生活の中でも多くの場面で使用されているシルバー素材。今回は、そんな身近なシルバー素材についてご紹介します。

「ゴールドよりもが価値がある」とされていたシルバー

現在では「シルバーよりもゴールドの方が価値がある」とされていますが、長らく「シルバーがもっとも価値が高い」とされている時代がありました。古代エジプトやヨーロッパでは、シルバーを採掘することがゴールドより遥かに難しく手間がかかったためとも言われています。

また、長い間通貨としても「金貨」ではなく「銀貨」が主流で、世界の標準通貨であったとされています。現代でもお金を取り扱う場を「銀行」と呼ぶのは、かつて「銀貨」が主流だった名残とも言われています。

熱と電気の伝導性が最も優れた金属

シルバー素材の特徴は、熱伝導と電気伝導性、また可視光線の反射率がすべての金属の中でもっとも高いこと。光の反射率が非常に高く、光沢も美しいとされています。また、シルバーは「硫化」により黒ずむ性質を持っています。そのことから、銀食器は毒に反応して色が変わると考えられ、王族や貴族が用いていたとも言われています。

出産祝いに「銀のスプーン」を送る理由

ヨーロッパの古くからの言い伝えに「銀のスプーンをくわえて生まれてきた子どもは幸せになる」というものがあります。

かつて銀の価値が非常に高かった時代に、銀食器を使う裕福な家庭に生まれた赤ちゃんは、一生食べ物に困ることがないと言われていました。そこから「赤ちゃんに銀のスプーンを送ると、食べ物に困らない」と解釈され、縁起物として出産祝いに銀のスプーンを送るという風習が生まれたと言われています。

また、銀には魔除けの効果もあるとされていたことから「悪いものから赤ちゃんを守る」という魔除けの意味もあるとされています。出産祝いに何を送るか悩まれている方は、この「銀のスプーン」の言い伝えも参考にしてみてはいかがでしょうか。

美しい指輪の素材としてはもちろん、私たちの暮らしに欠かせないシルバーには、縁起ものとして素晴らしい意味も持っています。大切な人への贈り物に迷った際、ぜひ参考にしていただけると幸いです。