意識しているのは、自分が職人であるということ
Craftman interview 17
Y.SENZUI
テーマパークのスタッフから転身を果たした泉水。自身の価値観と向き合う中で接客業の魅力に心を奪われた彼が、どのようにして鎌倉彫金工房の一員となり、お客様や指輪とどのように向き合っているのか話を聞きました。
接客からは離れたくない
前職はテーマパークのスタッフをしていました。職に就く前は、お客様の前だけで表面的に印象を良くすればいいといった感じで、接客業に対してネガティブに捉えていたんですよね。でも実際に働いてみると、同僚たちがお客様のことやチームワークをすごく熱心に考えていて、園が大切にしている信念みたいなものを意識して働いているのを目の当たりにして。その時初めて接客業ってすごいって感動して、つい長く働いてしまいました(笑)
転職を考える際も、私の中にあったのは人と関わる接客からは離れたくないという思いでした。そして気分転換でよく訪れていた鎌倉で、いい街だな、いつかはここに住んでみたいと思いながら何気なく求人を調べたんです。そうしたら鎌倉彫金工房がヒットして。
偶然にも別の工房でシルバーリングの制作体験をしたばかりで、その際にスタッフさんと、いい仕事ですね、って話をしていた記憶もありました。まさに自分には技術がないしな、こんな技術を学んでおけばよかったと思っていた矢先。求人には未経験でも応募可能とあったので、ちょっとやってみようかなと軽い気持ちで応募したんです。
誰に勧められたわけでもなく、自分自身の価値観と向き合いながら過ごした結果、この仕事に出会えたという感じですよね。現在は接客のほか、副店長として店舗の管理業務も担当しています。
仕事を楽しんでいる姿を見るのが幸せ
テーマパーク時代よりも、お客様ともっと長い時間を共有できるので、その時には触れられなかったところまで関わらせてもらえるのは、本当にありがたくて、やっぱり楽しいですね。
最近はそれに加えて、管理業務を通してのスタッフ育成においてもやりがいを感じることがあります。スタッフが頑張っている姿や、仕事を楽しんでいる姿を見るのが幸せなんです。特に好きなのは、お客様がスタッフと一緒に写真を撮りたいとカメラを渡してくださる時。お客様の幸せそうな表情とスタッフの嬉しそうな顔を見ることができると、その時間がとても価値のあるものだったんだろうなと感じて嬉しくなります。
私自身が接客や指輪作りを楽しんでいるからこそ、スタッフが同じ気持ちで楽しそうに働いている姿を見るのは、私にとってこの上ない喜びなんですよね。
意識しているのは、自分が職人であるということ
接客の時に意識しているのは、自分が職人であるということですね。パーソナルな話で盛り上がることも大切ですが、指輪作りの各工程や作業が何のためにあるのか、それぞれどういった繋がりがあるのかに焦点を当てて、お客様にできる限り細かく踏み込んでお伝えするようにしています。
どういう理由で今この状態になっているのか、そしてこれからどういう道筋を辿って指輪になるのかを知っていただいた方が安心していただけると思います。作業に対する心持ちも違うだろうなって。指輪に対する愛着も、より深いものになるでしょうしね。
指輪ができあがった時の感動はもちろん大切ですが、日常生活の中で指輪を見た時に「あの工程が特に大変だったな」「あそこで頑張ったからこの仕上がりになったんだな」と思い出してもらえるように、制作工程はできるだけ覚えておいてほしいと思っているんです。
これからの人生を支える相棒として
月並みな言い方ですけれど、手作り結婚指輪の魅力って思い出も一緒に作れるっていうところだと思うんです。結婚ってゴールではなくて夫婦としての新しいスタートですよね。楽しいこともあれば、ちょっとつらいことも多分あると思うんです。そんな時、自分たちで手作りした結婚指輪を見て、あの時楽しかったな、頑張ったなって思い出せれば、いろんな困難を乗り越える励みになるんじゃないのかなって。
手作りの結婚指輪には、これからの人生を支える相棒としての価値があると私は感じています。
泉水のおすすめリングは……
平打×ヘアライン仕上げ
平打がシャープで洗練された印象を与えてくれ、ヘアラインの仕上げによって輝きが優しく柔らかくなるので、上品で大人っぽい雰囲気になるかなって感じます。個人的に一番好きなデザインと仕上げですね。落ち着いた雰囲気が好きな方や手作りの温かみを大事にしたい方、華美なものが苦手な方には特におすすめしたいです。