私たちが採用や育成に力を注いでいるのは、全てがお客様につながると信じているから
採用・育成チーム
採用と育成を担う育成チームの三人。手探りで始まった初年度から、意見のすり合わせを経て築かれた信頼関係。そして、妥協せずに「教えすぎない」育成を実践する彼らの想いとは? その背景にある熱い情熱に迫ります。
育成チーム結成の経緯と、苦労したことは?
NAKADA
育成チームができた背景には、採用や育成に力を入れるため、会社全体でそのプロセスを進める中心的な存在が必要だと考えたからでした。
でも、今の形ができたのは、本当に二人がいてこそですよ。私はこれまで採用や育成に関わり、様々な施策を試してきましたが、具体的な形にしてくれたのは彼らです。採用では、履歴書の作成や面接の質問の意図を明確にするなど、細かいところまで二人が考えてくれました。
個人的にずっとやりたかったこと、それを形にし、懸念点や不安も話し合って最高のアイディアに練り上げるっていうこと、それに愚直に取り組んできてくれたのは、本当に二人の力だと思っています。
結成時に苦労したことは?
NAKADA
初年度は本当に手探り状態でしたね。育成チームの業務をこなすには、他の社員たちから時間を融資してもらわなきゃいけないような状況だったのもあり、一番の悩みは、どうすれば円滑にコミュニケーションを取れるかという点でした。
新入社員の研修スケジュールや内容を決める際も、事前に何を決めておくべきか、どこまでを教えるべきかなど、全てをやりながら学んでいく感じ。
研修期間の設定とか、新人スタッフをどこまで育成するのかとか、これも必要だった、あれも考えられてなかった、これも話し合わなきゃいけなかったと、試行錯誤の連続でしたね。
HISHIKI
ゼロから研修スケジュールを組むことや、面接内容を考えることなど、採用にしても育成にしても土台を作っていくことが大変でした。
今いるスタッフや会社の未来に関わる部分なので、責任感も感じていましたね。重要なんだけれど、それを考え抜ける時間もさほどなく、すごく時間が早く過ぎていったっていう印象で。
会社の変化が多い中で新しく入社してくれた方に、「何かタイミング悪いな私たち」と思ってほしくないという気持ちも強かったです。
NAGAMATSU
二人は妥協しないんですよ。どんなに時間がなくても自分が大変でも、「これでいいや」がない。
NAKADA
妥協してるつもりだよ?
NAGAMATSU
イエスと言えばスムーズに行きそうなところを、違うと思ったら「私はそうは思わない」と迷わず言ってくれる。
HISHIKI
そうですね。妥協だけはしたくないっていう気持ちはあります。
結成したばかりのチームですが、メンバー間のコミュニケーションについて教えてください。
NAKADA
意見は結構割れてるからな。
NAGAMATSU
基本、意見は割れます。
NAKADA
一回割れるよね。
NAGAMATSU
そこは大変さでもあり、やりがいでもありますね。
HISHIKI
意見は違えど、ぶつかり合って決まらないってことはあまりないですよね。それぞれの意見を出し合った上で、よりよい意見はどれだろうって、譲るべきところは譲り、譲れないところは主張するみたいなのが、三人ともできているんじゃないかなって私は思っています。
NAGAMATSU
遠慮してる時間がもったいないですしね。意見が違うから進まないというよりは、違うからこそ早めに共有できて、次のステップに進めるっていうのは、二人と働いていると感じます。
NAKADA
特に示し合わせたわけではなかったと思いますが、二人のすごいところって自分の意見をしっかり伝えつつ、相手の良いところを知る努力をするんですよ。
3つの意見があっても、その中から良いところを合わせるという意識を持っているんです。自分の意見を押し通すっていうよりは、「自分はこう考えています」っていうのを伝えてくれる。そこがすごいなと思いますね。
NAGAMATSU
仲田さんも菱木さんも、上司として私に「これで行きます」と押し通すこともできる立場なのに、二人ともそれをしない。「こう思うけど、永松さんはどう?」というスタンスで、私の気持ちも大事にしてくれるんです。
それがあるからこそ、私もその姿勢を見習ってお二人の意見を大事にしたいと思うようになりました。お二人がどこまでそれを狙ってやってくれていたのかは、実はずっと気になってました(笑)
NAKADA
(菱木に対して)狙ってた?
HISHIKI
狙ってないです(笑)今この話を聞いて、そう思ってくれていたんだって。素直に嬉しいですね。
NAKADA
今、なんていうんでしょう、建設的な話ができるチームになったっていうのは、本当にすごいと思うんですよね。
新人スタッフの育成で大切にしていることは?
HISHIKI
私が一番重要視しているのは、「教えすぎない」ことです。なぜかというと、全てをマニュアル通りにしてしまうと、その人の個性が潰されてしまうなって感じていて。
それぞれの接客が、みんな同じでなくてもいいと思っているので、基礎的な部分だけを教えて、スタッフ自身が自分の方法で考えながら接客に取り組んでもらえるようにしているんです。
スタッフの個性というのは、具体的にはどのような形で表れてくるものなのでしょうか?
HISHIKI
作り方そのものというよりも、接客の仕方や伝え方に表れてくるものだと思います。声のトーン、間の取り方、手の仕草とか、結構個性が出ると思います。
例えば1から10まで全てを教えてしまうと、スタッフはロボットのような型通りの接客になってしまう。そうではなく、お客様が一番わかりやすく楽しいと感じられるような、自分なりの工夫や表現で接客してほしいと思っています。
NAGAMATSU
それで言うと、私は「考え続けられる環境を作ること」を大切にしています。接客も制作も、ゴールはないものなので、常に追求し続ける姿勢が大切だと思います。「これでいいや」じゃなくって、どうすればより良くできるかを考え続けられるような環境を提供したいと考えていますね。
HISHIKI
あとは、初めて経験した気持ちを大事に覚えておいてほしいという思いもありますね。やっぱりだんだんできるようになってくると、当たり前になるというか、最初に感じた緊張感や感動を忘れてしまうことが多いんです。
ですが、その初めての気持ちこそが、お客様に寄り添うための大事な要素だと思うので、最初の経験をメモに残しておいてもらうようにしています。
NAKADA
ひとつ学んだことで、みんなにも伝え続けている内容にはなるんですけれど「相手の話を聞くこと」です。これをなくして人は育たないとまで思いましたね。
過去には自分の考えをそのまま伝えてしまい、うまく伝わらなかった経験がありました。なぜかうまくできるようにならない。それは相手のせいなのか、自分の伝え方なのか。まずそこから始まって。
そこで学んだのは、まずしっかりと相手の話を聞いて、相手の気持ちに寄り添うことが大切だということ。相手がどんな状況でその行動を取ったのか、何を考えていたのかをまず理解しないと、結局は伝わらないということに気づいたんです。
ただ、聞き方もまた難しいんですよね。過去には問い詰めるというか、相手を追い詰めてしまったこともありました。聞き方が相手にとって負担になっていたんですよね。相手に負担をかけずに質問する方法も、後になって少しずつ身につけていきました。
次に採用について。一緒に働きたいと思うのはどんな人ですか?
NAKADA
採用面接で個人的に見ているのは、「人との関わり方や他者に対する態度」だと思います。その人が他者と接したときにどう感じるのか、またその相手に対してどう行動するのか、ってことですね。誰かに助けられた経験っていうのを大切にしている人は、助けることに真摯に向き合う姿勢があるように感じます。
NAGAMATSU
共感しますし、仲田さんらしいですね。仲田さんは、過去の経験を大切にされていて、『こういう出来事があったから、今の自分の優しさや考え方がある』ということを率直に話してくれます。だから、そんなタイプの人と一緒に働きたいという気持ちがとてもよく理解できるなと。
HISHIKI
過去の経験やその人がどんな人生を歩んできたのかって、「どうしてこの会社を選んだのか」という軸とも繋がっていると思うので、面接という短時間でその人を理解しようとする時に、過去の話はすごく参考になりますよね。
NAGAMATSU
私は「人に興味がある人」と働きたいです。自分に関わりがない業務があっても、「あれはどうなったかな?」「この人は今どんな気持ちかな?」といったように、言葉にしなくても興味を持ち続ける人。お互いにそういった気持ちで関わり合えれば、すごくいい職場になると考えています。
面接では、我々がお話することに対してのリアクションや質問だったり、私たちの質問に対するお話の熱量に注目しています。熱量って、結構わかりやすいんですよね。
HISHIKI
面接時の話し方や目の輝きはもちろん、エントリーシートからでも伝わりますよね。そこは私も大事にしたいなと思っています。「ものづくりの楽しさ」を伝える仕事なので、スタッフ自身がワクワクしていないと、お客様にもその楽しさは伝わらないなと。
三人がそれぞれの視点を持ちながら採用を進めているのですね。
NAKADA
そうですね、採用の判断基準っていうのがなかったんです。何かしら基準を作る必要があるだろうとも思いましたが、他者の視点で採用するのは難しいと思うんです。
だからこそ、主観で見る。自分がどう感じるかを大事にしようと決めました。初めは自分がその応募者と一緒に働けるか、働きたいと思えるかを基準にしていました。
でも進めていく中で、確か菱木さんから話があったんですけれども、「接客する仕事だから、自分がその応募者から接客を受けたいかを基準にしたらどうか」という提案があって。それも基準に取り入れようって。他にも会社の雰囲気に合うかや素直さなど、時々のポイントはありますけれども、大きくはこの二つが基準になっています。
三人それぞれが違う感じ方をすることもありますよね。
NAKADA
はい。そういった場合には「こう思ったけどどう?」と意見を持ち寄って、三人全員が「いけるんじゃないか」と思えたときに初めて決定する、といった感じですね。
NAGAMATSU
基本的に面接中に極端な評価を下すということはしていなくて、メモを取って後で思い出しながら話し合うようにしています。
育成チームとして伝えたいことは?
NAGAMATSU
2年目からは、他のポジションのスタッフも育成チームに興味を持ち、協力してくれるようになりました。初めのころは、育成チームと新入社員だけが密接な関係にあるように見え、他のスタッフには少し疎外感を感じさせてしまった部分もあるかなと思っていて。
そこで、「こういう目的や意図があるから協力してほしい」と共有することで、会社全体にチームの活動を理解してもらうようにしました。その結果、みんながさらに協力的になり、コミュニケーションが取りやすくなったのかなと。
HISHIKI
2年目になってくるとだんだん慣れてきて、余裕ができたのかなっていうのもあると思います。
NAGAMATSU
気持ちの共有やコミュニケーションって、会社の成長において重要なポイントだと思います。人数が増えると考え方も多様になる中で、それをどのように共有して、理解し合うか。理解しきるのは難しいかもしれませんが、お互いに「理解したい」という気持ちを持つことが大切だと感じています。
HISHIKI
この会社に入って、すごくいいなって思ってるところがあって。いろんな経験をしてきた個性豊かなスタッフがいて、それぞれに尊敬できる部分がいっぱいある。この人に出会えてよかったなって思う仲間がたくさんいるんです。
手作り指輪の工房って他にもたくさんありますが、やはりこの工房の強みは「人」だと感じます。一緒に働いている私が「自分がお客様として接客されたら幸せだろうな」と思えるスタッフばかりなんです。求職者の皆さん、そんな個性豊かなスタッフと一緒に、楽しいひとときを届けていきませんか?
NAGAMATSU
私たちが採用や育成に力を注いでいるのは、全てが最終的にはお客様につながると信じているからです。まだまだ成長中の会社なので、一緒に悩んだり、考えたり、乗り越えたりしたいと思ってくれる人をスタッフとしてお待ちしています。
そして、そういった努力を続けることで、お客様に私たちの工房を選んでいただく機会を増やしていけたらなと思っています。これからお会いするお客様やスタッフとの時間を、今からとても楽しみにしています。